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幼児期の成長に欠かせない「タンパク質」と「エネルギー」の話

幼児期の成長に欠かせない「タンパク質」と「エネルギー」の話

幼児期の子どもの成長は著しく、1年のうちに身長は大きく伸び、体重もどんどん増えていきます。体の発育が活発な時期には、それだけ多くの栄養が必要となります。

子どもの栄養というと「野菜を好き嫌いしない」ですとか「ビタミンをバランス良く摂取する」といったことに関心が向きがちです。もちろんこれらも大切ではあるものの、幼児食において盲点になりやすいのが「タンパク質」と「エネルギー」の2つです。

そこでこの記事では、タンパク質とエネルギーの2つに焦点を絞って、幼児期の食生活ではどのようなことに気をつけたら良いのかを詳しく見ていきます。

 

タンパク質が幼児に欠かせない理由

幼児にとってとくに重要な栄養素とされるのが「タンパク質」です。幼児期には筋組織の発達が著しく、筋肉の材料となるタンパク質が欠かせません。そしてタンパク質の役割は、筋肉作りだけにとどまらないのです。

体の臓器・骨・皮膚・爪・髪の毛、これらはすべてタンパク質で構成されます。とりわけ骨を丈夫にするためにはカルシウムとタンパク質をバランス良く摂取することが肝心です。また、タンパク質は運動をするときのエネルギー源にも使われます。

よく動き、すくすくと成長する子どもにとってタンパク質が大切なのは、それが体のさまざまな組織を構成する源だからなのですね。

1日に必要なタンパク質量の目安

では具体的に、幼児は1日にどのくらいのタンパク質を必要としているのでしょうか。

厚生労働省発表の『日本人の食事摂取基準 2015年版』によれば、幼児期(35歳)におけるタンパク質の推定平均必要量は20g/日、推奨量は25g/日とされています。

これはおよそ成人女性のタンパク質摂取推奨量(50g)の半分となります。

少しイメージが湧きづらいと思いますので、食品に置き換えて考えてみましょう。タンパク質が豊富な食品は次のとおりです。

・魚類(アジ・マグロ・カツオ・イワシ・サンマなど):可食部100gあたりおよそ25g以上のタンパク質を含みます。

・肉類(牛肉・豚肉・鶏肉):部位によって若干異なるものの、可食部100gあたり1420gのタンパク質を含みます。

・牛乳:200 mlに約6.6gのタンパク質を含みます。

これらの食品には、必須アミノ酸が過不足なく含まれており「アミノ酸スコアが高い」換言すれば、バランスの良い良質なタンパク質を摂取できます。

1日に25gのタンパク質を摂らなきゃ」と神経質になる必要はありません。肉や魚、牛乳や豆類など、ふつうに偏らずに食べることを心がけていれば大丈夫です。

一般的に、小児のタンパク質不足には次のような原因を伴います。

・朝ごはんを食べない(欠食)

・肉、魚、卵など動物性タンパク質を含む食品を食べない(偏食)

幼児期は偏食傾向が強い(好き嫌いが激しい)のはある程度仕方のないことで、焦らずに大らかな気持ちで向き合っていくことが大切です。

朝ごはんについては生活リズムの問題でもありますので「毎朝決まった時間に起床して、決まった時間に食事する」という食習慣を身につけることを目指しましょう。

幼児は大人以上にエネルギー摂取が重要

幼児は大人と比べますと、体重あたりの基礎代謝量が高いです。1日の成人の基礎代謝基準値が24.0 kcal/kgであるのに対して、幼児はその倍以上の54.8 kcal/kgとなります。

幼児の代謝が活発であるということは、それだけ体に必要なエネルギー量が大きくなることを意味します。

体重によっても変わってきますが、幼児期(35歳)における推定エネルギー必要量は、男子で1,300 kcal/日、女子で1,250 kcal/日とされています。

厚生労働省『日本人の食事摂取基準 2015年版』に基づく

大人向けのステーキランチでも1000 kcalくらいであることを思えば、この数値は意外に多いなと感じられるかもしれません。

参考までに成人男性の推定エネルギー必要量が2,650 kcal/日、成人女性が1,950 kcal/日です。そのように考えますと、幼児でも大人の半分くらいの量の料理は食べてしまえるのですね。一般的にも「大人の半分強」程度の食事量が目安とされます。

子どもに「おやつの時間」が必要な理由

さて、幼児が1日に1,2501,300 kcal程度のエネルギー摂取を必要としていることは分かりましたが、3食だけではこれを補いきれないというケースがあります。

というのは、幼児は消化吸収の能力が未発達で、一度にそんなに多くの量は食べられないからです。幼児の胃の容量は、大人の半分もありません。

そこで幼児に必要となってくるのが適度な間食です。保育園や幼稚園では「3時のおやつの時間」が設けられています。おやつの目的は、お菓子で子どもを甘やかせることではなくて、きちんとした健康上の理由があるのです。

具体的に、おやつ(間食)には次のような効果を期待できます。

・エネルギーの補給

・栄養素の補給

・水分補給

このように栄養学的に見ても子どものおやつには意義があるため、間食は幼児の「第4の食事」と言われることがあります。もちろん栄養面の他に、友だちや家族と楽しい食事の時間を過ごす体験が、心の成長にも寄与します。

栄養補給の側面も鑑みれば、おやつでジャンクフードばかり食べるというのはあまり望ましくないかもしれません。

栄養面でも優れたおやつとしては、焼き芋・バナナ・ビスケット・ヨーグルトなどがあります。おやつの時間のついでに牛乳も飲めば、カルシウムが摂れて一石二鳥です。ビタミンを摂取できるフルーツもおすすめです。

意外かもしれませんが、サンドイッチやおにぎりも優れたおやつとなります。あまり「お菓子」というイメージに囚われずに、ひとつの食事としておやつを考えてみるのが良いでしょう。

34歳児の場合、一般的には150220 kcalくらいがおやつで摂取するエネルギー量の目安です。なお、幼児は脱水症状を起こしやすいため、おやつの時間にしっかりと水分も取らせることが大切です。

おやつの時間は、昼食と夕食の真ん中くらい。つまり正午と午後6時であれば、その間の3時が適しています。間食といっても、不規則な時間のおやつや夜食は望ましくありません。

幼児期は「食習慣を身につけること」がひとつの課題となりますので、食事やおやつは毎日決まった時間に取るように心がけましょう。

・参考URL

日本人の食事摂取基準(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

・参考文献

『系統看護学講座 小児看護学概論/小児臨床看護総論』(医学書院)

『系統看護学講座 栄養学――人体の構造と機能』(医学書院)