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乳幼児期の「絵本の読み聞かせ」のコツとポイント

乳幼児期の「絵本の読み聞かせ」のコツとポイント

 

「絵本の読み聞かせは子どもに良いよ」という話はよく聞きます。絵本の読み聞かせは子どもの想像力や感受性を育み、言葉の習得にも役立つことがわかっています。

 

そして「読み聞かせ」は子どもだけでなく大人側にもメリットがあります。東北大学教授、医学博士の川島隆太氏によると、前頭前野を活性化させるもっとも効果的な方法が音読だそうです。絵本の読み聞かせは、聞かせる大人と聞く子どもの双方の「脳力」を高めてくれます。

 

「絵本の読み聞かせ」と聞くと、難しそうに思われるかもしれません。どうやったらうまく読めるのだろう、どうしたら子どもに聞いてもらえるのだろう、とお悩みの方も多いことでしょう。

 

この記事では、乳幼児期のお子さんに絵本を読み聞かせるときにどのようなことに気をつけたら良いのか、そのコツとポイントをご紹介いたします。

 

乳児期(0~1歳)は「絵本を使ってのコミュニケーション」を意識する

 

 

絵本の読み聞かせは0歳児からできる親子のコミュニケーションです。ポイントとしては乳児の月齢に応じて絵本との向き合い方がどんどん変わってくることです。

 

まず知っておいて欲しいのが、生後間もない赤ちゃんは視力はまだ未発達であることです。生後4ヶ月でも視力は0.02程度、生後6ヶ月になっても0.08程度とされています。ですから絵本の絵がまだしっかりと見えていない可能性はありますし、そもそも絵本という「モノ」に対する認知能力がまだ完全ではありません。

 

それでも赤ちゃんを膝の上で抱っこして、絵本を読み聞かせてあげるとキャッキャッと喜ぶものです。これは絵本を読む行為を面白がっているというより、親とのコミュニケーションを楽しんでいるのです。

 

0歳児の子どもに絵本を読み聞かせるときは「絵本というおもちゃを使って子どもと遊ぼう」くらいの心構えで大丈夫です。朗読しよう、読み聞かせようと意気込むのではなく、子どもとの遊び道具(コミュニケーション)として絵本を活用してみてください。

 

乳児は遠くがはっきりと見えないため、絵本を触れるくらいの近さで一緒に読むと良いでしょう。

 

子どもは(本のイラストにあまり関心を示さなくても)お母さん、お父さんの声をよく聞こうとしています。無理に絵を見せようとはせずに、子どもとの対話・コミュニケーションを意識してみてください。

 

 

乳児期の子どもが「絵本を破ってしまう」のは寛容に受け止める

 

 

あまりショックを受けないでほしいのですが、0歳~1歳児の子どもに絵本をあげると、おそらく1ヶ月と持たずにページを破ったり、ちぎったりとボロボロにされてしまうことでしょう。

 

せっかくプレゼントした絵本を乱雑にされると、怒ってしまいたくなるのは分かりますが、どうか寛容に受け止めてあげてください。子どもの「絵本を破る」という行動は、多くのご家庭で見受けられる自然なことです。

 

絵本に限らず、乳児期の子どもは物を乱暴に取り扱ってしまいます。お人形さんの髪の毛を引っ張ったり、おもちゃを床に叩きつけたり。これは、それだけ子どもが「物」に興味と関心を向け、それを気に入っている証拠です。決して物に八つ当たりしているわけではありません。

 

大好きで気に入っている絵本ほど、小さな子どもは破ってしまいたくなるようです。子どもがこのような行動をしたとしても、絵本を取り上げたり叱ったりはせずに、優しく声をかけてあげると良いでしょう。

 

「絵本をなおしてあげようね」と言って、破れたページをセロテープ等で修復するところを子どもに見せるのも効果的です。絵本は破っちゃ駄目なんだな、ということをやがては理解するようになるでしょう。

 

乳児期の子どもが本を乱暴に扱ってしまうのは仕方がないことですので、この時期の読み聞かせは(図書館で借りてくるよりも)本屋で買ってきたものを使った方が、親としては安心できます。

 

破れた本も、テープで補強して大切に残しておくことをおすすめします。大きくなった子どもにとって、それはかけがえのない思い出の宝物となるからです。

 

 

幼児期(2~5歳)は「絵本の世界に引き込むこと」を意識する

 

 

子どもはおよそ生後7~9ヶ月で「自己」「他者」「もの」の関係性を理解し、「絵本を読む」ことを意識しはじめるようになります。脳科学ではこれを三項関係が現れる、というのですが、簡単に言えば親と子が絵本の世界を共有して楽しめるようになるのは生後7ヶ月頃が目安となります。

 

1歳になれば「ワンワン」のような簡単な言葉を話し始めるようになり、1歳後半では絵本のやさしいストーリーを理解できるようになってきます。2歳にあがる頃には視力はおおよそ0.5~0.6ほどになっており、絵本のイラストや文字をはっきりと見ることができます。

 

 

一般的に、ストーリー性のある絵本は2歳以降の幼児期から読ませてあげると良いとされます。0~1歳児の読み聞かせは「膝の上に乗せて抱っこして」が中心ですが、幼児期に入ってからは子どもと向かい合って目を見て読み聞かせるスタイルに移行しても良いでしょう。

 

読み聞かせで最も大切なのは子どもとのコミュニケーションの時間を作ることですから、「うまく読もう」ということに必死にならなくても大丈夫です。子どもの目を見て、ゆっくりと語りかける感じで読み進めると良いでしょう。

 

 

読み聞かせに関するよくある誤解と考え方

 

 

絵本の読み聞かせについて、よくある誤解として「感情を込めず淡々と読まなければならない」というものがあります。感情を込めずに読んだ方が良いとする考えは、たしかに朗読術においては一理あります。オーバーリアクションな調子で読むと、聴衆の物語への没頭を妨げてしまいますし、あまり感情を込めると聞き手に解釈を押しつけてしまう感じとなります。

 

しかしながら、少なくとも幼児期の読み聞かせでは「感情を込めて読んだら駄目」というルールはありません。少し過剰演出気味で読んだ方が、子どもは喜ぶかもしれません。(とくにストーリーを理解するのに慣れていないうちは)喜怒哀楽を声のトーンではっきり表した方が子どもとしても分かりやすいです。

 

逆に、寝る前に絵本を読んで子どもを寝かしつけたいときは、淡々と一定のテンポで読んであげるとスヤスヤと眠りに入ってくれます。時と場所に応じて読み方を使い分けることが大切です。

 

そしてストーリー性のある絵本を読み聞かせる場合、ついついやってしまいがちなこととして「子どもに感想を聞きすぎる」ということが挙げられます。大人が泣ける絵本も数多くありますから、子どもにも感動してもらいたい、あるいは作品から教訓を受け取ってほしいと願う気持ちはよく分かります。

 

しかし、無理に感想を言わせようとする必要はありません。乳幼児期は言語能力が乏しいため、感想を話そうとしてもうまく言葉にできません。

 

「感じているのに、言葉にできない」はとてももどかしいことで、(大人の私たちも経験があると思いますが)言葉にしてよと言われてもどう答えたら良いのか分からず、困ってしまいます。

 

感想を言えなくても、子どもはたしかに絵本から何かを感じ、心のなかでたくさんの想像力や感受性を育んでいます。いつか子どもが絵本について自分の思いの丈を伝えられるようになるまで、そっと見守ってあげることが大切です。

 

幼児期は、子どもと一緒に絵本の世界を楽しむような読み聞かせを意識してみましょう。親が楽しんで読むことが、子どもを絵本の世界に引き込ませる一番の秘訣といえます。

 

参考文献

『よくわかる0~5歳児の絵本読み聞かせ』徳永 満理(チャイルド本社)
『赤ちゃんが喜ぶ読み聞かせ 0・1・2歳—絵本でスタート』徳永 満理(フォーラムA)

 

【公開日】2017/06/28

【最終公開日】2017/06/28