子供用ランドセル

ランドセル選びの際に知っておきたい「防犯」と「安全」の話

ランドセル選びの際に知っておきたい「防犯」と「安全」の話

 

ランドセルは機能性と着用感を高めることに特化した鞄です。たくさんの教科書や学習道具を詰め込むことができ、長期間使用しても壊れにくい。そして荷物が重くても身体に負担がかかりづらいように設計されています。

 

背負い鞄として優れているのはもちろんですが、ランドセルに求められるのは収納力や機能性だけではありません。「子どもの安全を守る」という大切な役割を担って、ランドセルは進化を続けてきました。

 

この記事ではランドセル選びの際に知っておきたい、防犯と安全の話についてご紹介いたします。

防犯ブザーをランドセルに取り付けよう

 

 

子どもの登下校時の安全を守るために役立つのが、防犯ブザーです。今日では防犯対策の必須アイテムとなっており、全国の公立小学校の82%で防犯ブザーの無料配布(貸与)が行われています。(※1)

 

防犯ブザーは万が一のときの護身手段となるほか、目立つ場所に取り付けることで犯罪発生の抑止効果が期待できます。

 

ところが現実に児童が犯罪被害にあった場合に、防犯ブザーが役立っているかと問われれば、そうとは言い切れない実情があります。全国の小中学生を対象とした調査によると、実際の場面で防犯ブザーを鳴らせたケースはたったの1.9%しかないそうです。(※2)

 

いざという時に防犯ブザーが活用されづらい原因はさまざまあります。「とっさのことで不審者であると判断できなかった」「防犯ブザーの電池が切れていた」など、そして何よりも大きいのが「すぐに防犯ブザーを鳴らせる状態になかった」というものでしょう。

 

防犯ブザーを取り付ける場所として適しているのが、ランドセルです。ランドセルは登下校時に必ず身に付けるものだからです。しかし、防犯ブザーをランドセル側面のフック(ナスカン)に取り付けてしまうと、とっさの場面でブザーに手がとどかない問題が生じます。

 

腕を後ろにまわして、背中よりも後方にあるブザーを鳴らすのは難しいです。緊急時であれば尚更でしょう。かといってネックレスのように首からかけてしまうと、(不審者が警報音を止めようとして)紐を引っ張られたときに首が締まってしまう危険性があります。

 

では取り付け場所はどこがベストなのでしょうか。それはランドセルの肩ベルトの部分です。肩ベルトは背負ったときに身体の前側にくるので、すぐに手が届きます。

 

今では防犯ブザー取り付け用の金具(Dカン)のついたランドセルが販売されています。左右両側にDカンがあるため、利き手によって使いやすい方に取り付けると良いでしょう。

 

ランドセル選びの際には、防犯ブザーを付ける箇所(Dカン)についてもチェックしておくと万全です。背負ったときにDカンが胸の高さほどの位置にあるものが、ブザーに手が届きやすくてベストです。

 

市販品を使う場合は、防犯ブザー選びも重要です。100円くらいの安価な製品も出回っていますが、身を守るためのものですから、しっかりとした製品を選びたいものです。

 

 

警察庁と全国防犯協会連合会が定めた「優良防犯ブザー推奨制度」では、

(1)警報音が高い周波数と低い周波数を繰り返すタイプのもの

(2)85dB以上の音量があること

(3)連続して鳴らした場合に、表示音量の90%以上の音量が20分間以上保てること

(4)児童が容易に操作できること

の4点を満たした製品を優良防犯ブザーの性能基準としています。もし市販品を購入する場合は、上記の優良基準がひとつの参考となります。(優良防犯ブザーの認定表記のある製品もあります)

 

なお、防犯ブザーの音量は、中に入っている電池性能に大きく依存します。国民生活センターでは(電池残量不足で音が鳴らない防犯ブザーが半数近くあることを調査した上で)月に1回は防犯ブザーの作動確認と電池点検をおこなうよう消費者に注意喚起しています。

 

防犯ブザーをランドセルの肩ベルトに装着する。これはぜひ、入学時の準備としてやっておきたいことです。合わせて、防犯ブザーの鳴らし方(止め方)の練習も欠かせません。ランドセルを実際に背負わせてみて、お子さんに防犯ブザーの役割と使い方を教えてあげましょう。

 

※1 文部科学省(学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査 平成23年度)

 

※2 特定非営利活動法人 日本子どもの安全教育総合研究所(全国小中学生を対象とした緊急時行動特性調査 2010年)13年7月13日にNHK『ニュース深読み』で報道されたもの

 

 

事故防止のためのランドセルの安全対策

 

 

さて、ここまでは防犯に視点を当ててきました。ランドセルには他にも、事故防止の仕組みがいくつも用意されています。

 

ひとつは交通事故を防止する役割があります。反射テープや反射鋲、反射帯を使ったランドセルは、車や自転車のライトを反射して、暗い道での視認性を高めてくれます。

 

小学1年生のあいだは「交通安全カバー」をランドセルに被せるようにと推奨している学校も多いです。反射しやすい黄色のカバーは、実際に交通事故防止に役立つものですし、ランドセルを雨や傷から守ってくれるカバーとしての働きもあります。

 

ところで、ランドセルのサイズは(A4フラットファイル対応のものなど)大型の製品が多くなりました。学校で配布された交通安全カバーがランドセルに合わない、といった悩みも耳にします。

 

ランドセルメーカーによっては、専用の交通安全カバーをセットでつけてくれるところもあります。入学前は準備するものが多くなかなか大変ですが、ランドセル選びの際は一緒についてくるオプション品(交通安全カバーや防水カバーなど)もチェックしておきたいものです。

 

そしてもうひとつ、ランドセルには「背中から転倒したときに後頭部を地面に打ち付けないよう、クッション代わりとなる」という構造上の利点があります。

 

ただ、後ろから転んだときに、ちょうど首元部分にくるランドセルのフック(吊り下げ用の輪っか)が当たります。このフックが金属製であるよりかはナイロンや革製の方が安全性は増すだろう、ということで(金属部品を少なくするよう)こだわっているメーカーもあります。

 

他にも、ランドセルの側面には給食袋等を吊るすためのフックがあります。このフックに、一定以上の力が加わった場合に「わざと」外れるようにしている製品もあります。万が一、吊り下げている給食袋が電車のドアや走行中のバイクなどに巻き込まれたときに、すぐに外れた方が安全だ、という考えに基づくものです。

 

とても細かい点ではあるものの、ランドセルにはこのような事故防止と安全のための設計がされています。

 

 

今回の記事でご紹介した「防犯ブザーを取り付けるための肩ベルトのDカン」「交通安全カバー」「吊り下げ用フックの素材」などは、どれも子どもが安全に安心して使えるようにと、ランドセルに組み込まれたデザインのひとつです。

 

ランドセル選びの際は、見た目の良さや高級感も、もちろん大切です。ですがそれに加えて「事故防止や安全に配慮されて作られているか」をチェックすることは、本当に良いランドセルを見つけるのにきっと役立つことでしょう。

 

【公開日】2017/08/09

【最終更新日】2017/08/09