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子どもの身体能力を伸ばす「幼児期の運動遊び」のすすめ

子どもの身体能力を伸ばす「幼児期の運動遊び」のすすめ

 

幼児期に自発的に体を動かす習慣をつけることは、心と体の発達のために非常に重要だとされています。現代の日本では子どもが外で遊ぶ機会が少なくなっており、公園や空き地などの運動できる場所も減ってきています。

 

幼児期の運動不足は改善すべき課題だとして、文部科学省は平成24年に「幼児期運動指針」を発表しました。『幼児は様々な遊びを中心に、毎日、合計60分以上、楽しく体を動かすことが大切です!』を指針の標語としています。

 

この記事では、文部科学省の提唱する「毎日60分以上楽しく体を動かす」を実現するための、幼児期に取り入れたい運動や遊びについてご紹介いたします。

 

散歩やお手伝いも立派な「運動」習慣

 

 

幼児期運動指針では、幼児期の運動量目標として「毎日60分以上」を掲げています。もしかしたら(鬼ごっこでもすぐに飽きてしまうのに、子ども1時間以上も運動させるのは大変だな)と思われるかもしれません。

 

ですが運動指針ガイドブックにも書かれているとおり、この60分以上というのは「連続」ではなくて「合計」の時間で構いません。つまり、5分でも10分でも子どもが自発的に体を動かせる環境を作り、積み重ねていくことが大切です。

 

子どもの生活のなかに運動を取り入れる方法として、お手伝いの習慣は役立ちます。例えば「飲み物の入ったコップをテーブルに運ぶ」といった簡単なお手伝いでも、バランス感覚を体得するのに有用だとされています。

 

他にも「お布団を敷く」「玄関の靴を揃える」など、日頃の小さなお手伝いのなかで子どもは体の動かし方を身に付けていきます。

 

幼児期の運動のさせ方のモデルとして参考になるのがジブリ映画の「となりのトトロ」です。主人公のひとり、草壁メイはまだ4歳の女の子ですが、歩いたり走ったりと活発に動き回ります。

 

作中でメイは、家の大掃除・お父さんに傘を届けに行く・足踏み洗濯・野菜の収穫など、かなり積極的にお手伝いに参加しているのが分かります。どれも腕や脚をよく動かすものばかりで、日常生活における家事がいかに良き運動習慣となっているかがトトロの作品からは見て取れます。

 

全自動洗濯機のある現代では「足踏み洗濯」はさすがに難しくとも、体を動かすお手伝いを子どもにチャレンジさせてみることが大切です。体を動かすのは楽しいことであり、心身のリフレッシュにも繋がります。

 

楽しい「運動遊び」として、子どもに簡単なお手伝いをやらせてみましょう。

 

 

体力・持久力・バランス感覚を伸ばす「縄跳び」遊び

 

 

縄跳びは4、5歳の子どもにおすすめの運動で、幼稚園の遊戯でも広く取り入れられています。縄跳びは単純そうに見えて、複雑な運動です。手と脚を別々に動かして、タイミングを合わせてジャンプする。脚の筋力、体力、持久力、バランス感覚を総合的に伸ばしていくことができます。

 

縄跳びは比較的「習得難易度」が高い運動です。いきなり縄を回しても、縄を足に引っ掛けてしまいます。ですからいくつかのステップを踏んで、縄跳びをマスターしていくことになります。

 

縄跳びの練習として定番なのが「にょろにょろへび」というものです。大人が低い位置で縄を持ってあげて、子どもが縄に触れないように前にジャンプをします。あるいはフラフープの輪っかの外側と内側を交互に跳ぶリズム遊びで、前に跳ぶ動きを自然と覚えさせることができます。

 

縄を回す手の動きは「片手回し」で覚えると良いでしょう。片手で2つの持ち手を握って、縄を回しながら跳ぶイメージを掴みます。

 

もっとも練習効果が高いのは、大人が子どもの隣に立って、一緒に縄跳びを跳んでみることです。「学ぶ=真似ぶ」と言われるように、人間は誰か他の人の動作を真似することで、技術を自分のものとします。

 

縄跳びに限らず、子どもに運動やスポーツを教えるさいには、まず率先して大人がお手本を見せましょう。縄跳びは技術を言語的に説明するのが難しい遊びですが、子どもと横並びで大人が縄跳びをすることによって、習得はぐっと容易になります。

 

 

空間認識能力と反射神経を伸ばす「ボール遊び」

 

 

ボール遊びも幼児期には大変おすすめの運動です。柔らかいゴムボールを使ったキャッチボールでは、空間認知能力や反射神経を鍛えることができます。人間は生まれたときから3次元空間を正確に知覚できるわけでなく「距離感覚」や「方向感覚」は子どものうちに運動体験を通じて身につけるものです。

 

例えば「投げられたボールを掴んで投げ返す」という一連の動作には、次のような複雑なプロセスが含まれます。最初にボールとの距離を掴み、次にボールの到達地点を予測し、手で捉え、自分の意図する地点をイメージして腕を動かす。たかがキャッチボールといっても、まったく侮れないわけです。

 

サッカーではボールを追いかけるため足腰が鍛えられますし、家でできるボール遊びでは「お手玉」も良いでしょう。意外に思われるかもしれませんが、お手玉が上手にできる子どもは、小学校に上がってから野球も得意になるようです。

 

お手玉ではボールがどこに落ちてきて、どのように掴めばボールが取れるのか、という空間認識能力を使います。幼児期からボール遊びに慣れておけば、小学校の体育でおこなうサッカーや野球でも、ボールへの苦手意識なく取り組みやすくなることでしょう。

 

 

社会性や対人能力を育む「鬼ごっこ」

 

 

追いかけたり追いかけられたりする、鬼ごっこ。体力を高めることに役立つのはもちろんですが、社会性や対人能力の向上にも有用な遊びだとされています。

 

社会にはさまざまな「ルール」があり、大人になるためには小学校、中学校、高校と段階を乗り越えて、たくさんの社会規範を学んでいく必要があります。幼児期で遊ぶ「鬼ごっこ」はいわばその事前練習として機能します。

 

ご存知のとおり、鬼ごっこにはたくさんのルールがあります。「じゃんけんで負けた人が鬼になる」「鬼は10を数えてから追いかける」「手でタッチされたら逃げる役と追いかける役が入れ替わる」これらすべてのルールが守られなければ、遊びとして楽しむことができません。

 

鬼ごっこはバリエーションも豊富で「色鬼」「影踏み」「ケイドロ」「高鬼」など、複雑で覚えることの多いタイプのものもあります。これらの遊びを通して、子どもはルールを覚えることと守ることを学びます。

 

幼児期の運動によって得られるのは体力や筋力だけでなく、先に挙げた空間認識能力や、社会的能力も含まれます。子どもが好きな遊びであれば何でも構いませんので、ぜひ幼児期には積極的に体を動かす遊びを取り入れたいものですね。

 

 

楽しく体を動かせる環境をつくる

 

 

ここまでで挙げた「縄跳び」「ボール遊び」「鬼ごっこ」は、保育園や幼稚園でもおこなわれていることであり、家庭でできることは少ないのではないかと感じられるかもしれません。

 

しかし家庭のなかでも子どもが運動できる環境を整えることの重要性は「幼児期運動指針」のなかでも触れられています。外で遊ばずに家でテレビゲームばかりしているという悩みもよく耳にしますが、家庭であっても運動を取り入れることは決して難しくはありません。

 

お子様がテレビゲーム好きなのであれば、あえてそれを否定せずに「Wiiスポーツ」など体も動かせるゲームをやってみるのも良いでしょう。

 

幼児期のうちから簡単なお手伝いを体験させることも、子どもにとっては貴重な運動体験となります。コップを運んだり、床を雑巾がけしたり、お布団を広げたり。これらは立派な運動と言えます。

 

週末に家族でピクニックやハイキングに行く、というのも良い運動になります。特別なスポーツをさせなくても大丈夫です。幼児期に運動能力をつけさせる上で大切なのは、日常生活のなかに自然に運動習慣を組み込むことなのです。

 

【公開日】2017/08/22

【最終更新日】2017/08/22