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子どもの歯を守ろう! 幼児の虫歯予防のための3つのポイント

子どもの歯を守ろう! 幼児の虫歯予防のための3つのポイント

 

子どもの虫歯については誤解がまだ多くあるところで、しばしば「乳歯は抜けて生え替わるから、虫歯になっても大丈夫」といった話を聞きます。

 

しかしながらこれは間違いで、乳歯の虫歯はその後に生えてくる永久歯に大きな影響を与えます。虫歯を放置しておくと、永久歯の歯並びや噛み合わせにも問題が波及してしまうのです。

 

とくに乳歯の虫歯は永久歯よりも進行がはやいため、そのぶん早期治療が必要となります。小学校では毎年歯科検診がおこなわれますが、できればそれよりも前の幼児期のうちから、子どもの歯の健康対策をしておくのが望ましいです。

 

そこでこの記事では、幼児の虫歯予防のポイントについて3つご紹介いたします。

 

ポイント1 幼児期から受けたい歯科検診・歯の定期管理

 

 

昔は歯医者さんに行くと言えば虫歯治療のことを指しました。しかし現在では「予防歯科」が歯科医院の重要な役割として知られるようになってきました。虫歯でなくても、定期的に歯科検診を受けることが大切です。

 

では子どもの場合、いつ頃から歯科検診を受け始めたら良いのでしょうか?

 

答えは「初めての乳歯が生え始めたら」です。子どもが8~9ヶ月になる頃に、下の前歯が生え始めます。この時期から、遅くとも1歳の誕生日を迎える前には歯科検診を受けるのが望ましいとされます。

 

前田歯科医院院長の前田亨氏は、著書『わたしの子どもは絶対むし歯ゼロ』(牧野出版)のなかで、子どもの虫歯予防のための「早期定期管理」の重要性を説いています。

 

定期管理では唾液検査やレントゲン検査を通して口腔内の健康をチェックするだけでなく、歯磨き指導や健康的な歯を育てるための生活習慣・食生活のアドバイスも受けられます。

 

著書によれば、12歳児のうち虫歯経験のない子は48.8%しかいない(つまり過半数が虫歯経験あり)のに対して、乳幼児期から定期管理を受けてきた子では82.7%が虫歯経験ゼロとのこと。

(※典拠:『わたしの子どもは絶対むし歯ゼロ』前田亨・著 p.31)

 

子どもの歯を磨く、あるいは歯磨きの仕方を教えるにしても、どのようにすれば良いのか書籍やネットの情報だけではわかりにくいところがあります。

 

小児歯科の定期管理では、歯科医や歯科衛生士の先生が丁寧に歯磨きの方法について教えてくれますので、親子でデンタルケアの仕方を学ぶといった意味でも大変役に立ちます。

 

近年の歯科医院は、治療のときも子どもが怖がらないようにアニメDVDを見せてくれたり、キッズルームや託児所を用意していたり、歯磨きが好きになれるリトミック教室を開催していたりと、サービスがとても充実しています。

 

「虫歯になると怖い歯医者さんに歯を引っこ抜かれるぞ」と脅かして子どもに歯磨きさせるのではなく「歯医者さんに行って楽しく歯の磨き方を教えてもらおう」とするのがこれからの歯科教育のあり方です。

 

歯医者さんはこわい、という固定観念を捨てて、はやいうちから小児歯科で検診や定期管理を受けるようにしましょう。

 

 

ポイント2 注意したい食生活

 

 

食生活と子どもの虫歯には密接な関係があります。

 

「甘いものを食べると虫歯になる」とよく言われますが、これは虫歯の原因菌であるミュータンス菌が歯に残った糖分を取り込んで歯垢をつくり、増殖していくからです。

 

ですから糖分過多の食生活は、それだけ虫歯になるリスクを増やします。

 

事実として、肉類や木の実が主食であった狩猟採集時代では虫歯発症率が1.3%であったのに対して、穀物が主食となった農耕時代では8.6%、そして砂糖が流通し始めた産業革命後では虫歯発症率が40%以上に急上昇したそうです。

(※典拠:『イラスト版 歯のしくみとケア』渡辺和宏・編 合同出版 p.32)

 

砂糖そのものは脳や身体のエネルギーにもなるため、一概に悪とは言えません。しかし子どもが3歳になるまでは、砂糖を多く含む甘いお菓子は避けた方が良いでしょう。

 

乳幼児は味覚が敏感なため、フルーツや干し芋、さつまいもなどの自然な甘みを持つ食材のおやつでも、十分な甘みを感じられます。味覚の健全な発達のためにも、幼児期の子どもに甘味の強いお菓子をあげるのは控えるのが無難です。

 

また、虫歯予防では「間食」にも気をつける必要があります。口のなかの細菌が酸を出して歯の成分(カルシウム・リン)を溶かす状態を「脱灰」というのですが、間食の回数が多いと脱灰状態が長く続き、虫歯になりやすくなってしまいます。

 

メリハリのある規則正しい食生活を心がけることで、唾液が正しく分泌され脱灰状態から歯を修復(再石灰化)してくれます。

 

幼児の場合はまだ胃袋が小さいので、一日三食だけでは必要なエネルギー量を補いきれません。そのため幼児には「おやつの時間」が健康のためにも欠かせないのですが、この場合も食べる時間をきちんと決めて、だらだらと食べ続けないようにします。幼児期の間食は1回もしくは2回が目安です。

 

間食とは逆に「欠食」も歯の健康によくないことが分かっています。新発田市歯科医師会が約4千人の子ども・学生を対象におこなった調査によると、朝食を食べない子どもほど歯肉炎や虫歯の発症率が高かったそうです。

(※典拠:『みんなでワッ歯ッ歯』新潟県歯科医師会・編著 新潟日報事業社 p.62)

 

牛乳や小魚でカルシウムをしっかり摂って、一日三食よく噛んで食事をすることが歯の健康にはもっとも良いといえるでしょう。子どもの成長に応じて食材も少しずつ大きく切って、噛んで食べる習慣をつけさせることがポイントです。

 

 

ポイント3 歯磨きの習慣を身につけよう

 

 

幼児期の歯は、1歳頃に上下の前歯が生え、3歳になる頃には奥歯も含めて20本の乳歯が生えそろいます。この乳歯は子どもが小学生にあがる頃から抜けはじめ、13歳頃にはすべてが大人の歯(永久歯)へと生え替わります。

 

ですので子どもの歯磨き習慣は1歳半から2歳までにはもう始まります。自分で磨くことができないうちは保護者の方がブラッシングするのですが、このとき子どもを膝の上に寝かせての「寝かせ磨き」が推奨されています。

 

詳しい磨き方については文章やイラストでは分かりづらいですので、ぜひ歯科検診に行かれた際に歯医者さんや歯科衛生士さんから歯磨き指導を受けることをおすすめします。具体的にどのように磨けば良いのかを丁寧に教えてくれます。

 

歯ブラシは乳児であれば喉突き防止用の乳児用歯ブラシを、幼児であればヘッドが小さく毛が柔らかめの幼児用歯ブラシを使います。

 

フッ素入り歯磨き粉は虫歯予防に効果的ですが、小さな子どもの場合は歯磨き粉を飲み込んでしまう恐れもあります。歯磨き粉は必ず付けなければいけないというものでもないので、歯科医の指導のうえ、無理のない歯磨き習慣を心がけてください。

 

 

歯についてよく分かる参考文献

 

 

この記事の執筆にあたっては下記の文献を参考にしました。

 

子どもの歯の健康を守るために何ができるか、虫歯や歯周病にどうしてかかってしまうのか。そうした歯についての知識をしっかりと学ぶことのできる書籍です。興味のある方はぜひお読みになってみてください。

 

・『イラスト版 歯のしくみとケア―子どもとマスターする健康な歯の育て方』渡辺和宏・編/合同出版

・『みんなでワッ歯ッ歯』新潟県歯科医師会・編著/新潟日報事業社

・『わたしの子どもは絶対むし歯ゼロ』前田亨・著/牧野出版

・『歯と歯ぐきを守る新常識』河田克之・著/サイエンスアイ新書

・『みんなのための家庭の歯学―良い歯を守る育てる』青木博之・著/ 西村書店

 

【公開日】2017/09/14

【最終更新日】2017/09/14