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子どもの「食育」を家庭で実践するための4つの方法

「食育」という言葉を最近はよく耳にするようになりましたが、具体的にどのような教育をするのかはあまり知られていないかもしれません。

 

食育とは、健康的な食生活と食文化への理解を育む教育であり、簡単に言えば「食事にもっと関心をもってもらう」ことを目的とします。

 

日本には世界的にも珍しい「食育基本法」なる法律があり、国の食育推進計画に基づいて小学校や幼稚園で食育が行われています。

 

例えば「お箸の持ち方・マナー」や「食事前の手洗い方法」の指導、あるいは「各国の食文化」や「5大栄養素」の学習など、食育と一口に言ってもその範囲は幅広いです。家庭科・道徳・社会科・理科・算数の科目分野にかかわらず「食」は子どもたちにとって大変身近な学習対象であると言えるでしょう。

 

食育の大きなメリットは、子どもが食文化に興味を持つことによって、ふだんの食事がより美味しく楽しいものになることです。また、好き嫌いを克服し、栄養バランスの取れた料理を食べられるようになるきっかけにもなります。

 

この記事ではご家庭で食育を実践するための、4つのアプローチ方法をご紹介いたします。

 

1. 旬の食材を食べる

「子どもは食べ物の好き嫌いが多い」のは生理学的にも自然なことで、幼少期の偏食はさほど気にする必要はありません。食体験の積み重ねによって、苦手だった食べ物も自然と食べられるようになっていきます。

 

おすすめなのが、旬の食べ物を積極的に食卓に取り入れてみることです。

 

旬は、食材が1年のなかで最も美味しく、さらに栄養価が高くなる時期を指します。

 

現在はハウス栽培や輸入品のおかげで、スーパーでは1年を通してあらゆる食材を購入できます。夏でもほうれん草が手に入りますし、冬でも売り場には温室栽培のトマトが並びます。しかし旬の食材を献立に取り入れることには「安さ」以外にも多くのメリットがあります。

 

旬の果物や野菜は、美味しいだけでなく栄養価が豊富なのです。

 

例えばほうれん草では、旬外れの9月と比較しますと、旬の12月では含有するビタミンCの量が約4倍にアップすることが分かっています。(※農畜産業振興機構 「月報 野菜情報」2008年11月号[女子栄養大学]

 

旬と旬外れの野菜とで栄養価が異なるのは、野菜全般に当てはまる傾向のようです。上記リンク先の女子栄養大学の研究によれば、βカロテン含有量ではトマトで約2倍、にんじんで約2.5倍も(旬か旬外れかによって)栄養価に開きが出るそうです。

 

旬の食べ物の美味しさ、四季によって移ろう食文化を知ることは、お子さんにとっても学びとなり、食への関心を持つひとつのきっかけとなるでしょう。

 

大手調味料メーカーのキッコーマンのサイトでは、野菜・果物・魚介類等の旬の時期をカレンダーで一覧にまとめて紹介しています。とても見やすくまとまっているので、食材の旬を調べるのにおすすめです。

 

・旬の食材事典|キッコーマン

http://www.kikkoman.co.jp/homecook/chie/season/01.html

 

 

2.お買い物を体験する

おつかいや親子でのお買い物体験も、立派な食育です。献立を考えて、準備する材料をリストアップする。スーパーではあらかじめ決めた予算のとおりに食材を購入します。

 

こうした体験は、日常生活でのお金の計算を覚えたり、食材の知識を深めたり、子どもにとっては貴重な社会体験となります。幼稚園や小学校では食育の一環として買い物体験を実施しているところも多いです。

 

コープみらい・ヨークベニマル・平和堂などの有名スーパーマーケットでも幼稚園・小学校の食育活動を支援しており、お買い物や料理が体験できる学校向け教育プログラムを用意しています。

 

幼稚園教諭・小学校教師・保育士経験者の集う育児支援グループ「こんぺいと」は著書のなかで、八百屋、魚屋、肉屋などの「小売店」に子どもを連れて行くことを勧めています。

(※『保育・教育現場のための食育』グループこんぺいと 編・著/学習研究社 p.161)

 

その理由としては、小売店の次のようなメリットが挙げられています。

 

1.スイカや白菜など、食材がそのまま丸ごとで売られているところを観察できる

2.お店の人とのコミュニケーションが取りやすく、産地情報や旬の食べ物を教えてくれる

3.魚をおろすところなど、食材が加工される現場を見ることができる

 

スーパーもスーパーで便利なのですが、たまには商店街で小売店巡りをして、親子でお買い物をしてみるのも楽しいかもしれませんね。

 

 

3.料理をつくる

 

家庭科の授業で調理の仕方は習いますが、事前学習としてご家庭での料理体験をすることにも大きな意義があります。

 

味噌汁のだしはどのように取っているのか、ハンバーグの具材には何を入れているのかなど、ふだん食べている食事の作り方を学べば、ご家庭の味にもより一層愛着がわきます。

 

小学校就学前のお子さんであれば、おむすびを握ったり、クッキーやハンバーグの生地をこねて整えたりと、簡単なところからチャレンジさせてみると良いでしょう。包丁を使う場合は子ども用の安全包丁を用意しましょう。

 

子どもに料理を体験させるうえで、最も注意したいのが火傷です。

 

6歳男児の事例ですが、親子でカレーを作っている最中、親が目を離した隙に子どもがバランスを崩して鍋を倒してしまい、熱湯を浴びて緊急搬送された話が『チャイルドヘルス 2017年4月号 診断と治療社』の特集で紹介され、注意喚起がなされています。

 

料理中、とくに火を扱っているときは絶対に子どもから目を離さないことが大切です。

 

 

4.味をオノマトペで表現する

日本語には数千種類に及ぶオノマトペがあり、とりわけ味覚や食感を表現する言葉がたくさんあります。料理を食べたときに単に「おいしい」「まずい」ではなくて、具体的にどのような味であるのかを言葉に出して表現してみることで、より豊かな食体験を育むことができます。

 

料理のオノマトペには擬音語と擬態語の2種類があります。

 

「シチューがコトコト煮えた」「ステーキがジューっと焼けた」など、実際の音を表す擬音語。「そうめんのツルツルとした喉越し」「納豆のネバネバとした食感」など食べ物の状態を表す擬態語。他にもシットリ、サッパリ、コッテリ等、食感を表す言葉は無数に存在します。

 

オノマトペ、あるいは形容表現が豊かになると、料理の味に、より意識を向けることができます。どこが美味しかったのかを具体的に伝えられるようになれば、食事の時間もより楽しくなることでしょう。

 

また、表現力を向上させることは、苦手な食べ物を克服するのに役立つケースもあります。例えばお子さんが「トマトが苦手」である場合に、具体的にトマトのどういうところが嫌なのかを聞いてみます。

 

トマト特有の酸味が苦手なのかもしれませんし、そうではなくてドロっとした食感が駄目なのかもしれません。もし酸っぱいのが苦手なのであれば、甘みの強いフルーツトマトだったら好きになれる可能性があります。食感が嫌なのであれば、トマトを潰したトマト煮込みやミネストローネはふつうに食べられることもあります。

 

このように、自分の好き嫌いをより豊かなボキャブラリーで表現できるようになることは、食そのものへの関心を向けると同時に、好きな食べ物の範囲を広げてゆく良いきっかけとなります。

 

食事のときに、料理を味わった感想について親子で話し合う体験も、素晴らしい食育の取り組みであると言えます。

 

以上、この記事では、ご家庭でも実践できる食育の4つの方法についてご紹介いたしました。

 

また記事執筆にあたっては『保育・教育現場のための食育』(グループこんぺいと 編・著/学習研究社)を参考にいたしました。幼児期における食育の事例が詳しく紹介されており、食育をより詳しく学びたい方におすすめの一冊です。

 

【公開日】2018/05/07

【最終更新日】2018/05/07