VONDS, 子供用ランドセル

子どもの肩こりを防ぐ環境を作ろう(学習椅子・照明・ランドセルの選び方)

大人・子どもを問わず、現代では肩こりや頭痛を引き起こしやすい環境が身の回りに多くあります。デジタル機器の使用機会が増えたことがその最たる例です。2020年の教育改革に向けて政府は小中学校でのICT導入を推し進めており、子どもたちがタブレットPC等を使う時間は今後ますます長くなることが予想されます。

スマートフォンやタブレットPCを活用した新しい教育(ICT教育)には高い関心が集まる一方で、画面を長時間見ることによる眼精疲労、姿勢の悪化、それに伴う身体不調の増加はやはり懸念されるところであります。

この記事では、教育の場でもデジタル化が浸透しつつある今だからこそ知っておきたい、子どもを肩こりから守る環境の作り方についてご紹介をいたします。

子どもの肩こりは増えている?

テレビや雑誌では「子どもの肩こりが増加している」といった内容の特集が組まれることもありますが、実際に肩こりが増加傾向にあるかどうかは統計上明らかになっていません。

大人と比較した場合、子どもが肩こりに悩まされるケースはかなり少ないです。

厚生労働省の調査する『平成28年国民生活基礎調査』によると、国内人口1000人に対する20代男性の肩こり有訴者率が33.5、20代女性で98.0となっています。一方で子どもの場合は、10代男児7.6(9歳以下0.4)、10代女児23.6(9歳以下0.5)となります。

肩こりは「成人を過ぎた頃から有訴者率が4倍以上に急増すること」、そして「男性よりも女性の方が3倍近く有訴者率は高いこと」が調査からは読み取れます。
(参考:平成28年 国民生活基礎調査 第10表 厚生労働省)

子どもが肩こりになりにくいのは事実です。しかし将来の肩こり・腰痛・頭痛などを事前に予防するためには、子供時代に正しい姿勢と生活習慣を身につけることが何よりも大切です。

骨格を歪める悪い姿勢に要注意

肩こりの最も大きな原因として知られるのが「悪い姿勢」です。とくに猫背の人は慢性的な肩こりを訴える人が多いです。

いわゆる「うつむき姿勢」では首にかかる負担が通常時の3~5倍に増え、首や背中の筋肉がつねに緊張した状態になります。筋肉の緊張状態が続くと血行が悪くなり、血液を通して筋肉にうまく酸素が行き渡らなくなった結果として疲労物質が蓄積され、ひいては肩こりを発症します。

子どもの猫背は早めに矯正をすることが肝心です。骨格が歪んで猫背が当たり前の状態となってしまうと、姿勢改善が難しくなってしまいます。

猫背予防のために、下記5点の悪い姿勢を取らないように注意します。

1.前傾姿勢(長時間うつむくような姿勢)
2.頬杖をつく
3.足を組んで座る
4.椅子に浅く腰掛ける
5.片足だけに体重をかけて立つ

足を組んだり頬杖をついたりするのはマナー面でもあまり良くありませんが、それ以上に子どものときから癖がついてしまうと骨格のゆがみに繋がります。

姿勢が崩れたときにそれを自覚して、正しい姿勢に戻そうと意識することが大切です。子どもの姿勢矯正を取り扱っている整骨院に足を運んで、専門家の指導を受けるのも良いかと思います。

なお、文部科学省は「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」のなかで、ICT教育導入に伴う児童の姿勢悪化の留意点と、ICT機器を使う上での姿勢指導・環境作りについて紹介しています。

ICT機器活用における児童の健康管理について詳しく記載されており、学校現場だけでなくご家庭でも実践可能な対策事例が豊富です。興味のある方は下記のガイドブックをご覧ください。

参考資料:児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック|文部科学省
(http://jouhouka.mext.go.jp/school/pdf/kenko_ict_guidebook.pdf)

学習椅子は「足置き」と「調節のしやすさ」に着目しよう

座るときは椅子に深く腰掛け、背筋をまっすぐに伸ばすのが理想的な姿勢です。足を組んだり机に頬杖をついたりすると一時的に楽にはなりますが、体重を片側だけにかけるため身体の負担となり、結果としてはかえって疲れやすくなってしまいます。

正しい姿勢を習慣づけるためにも、学習机・椅子選びは重要です。子どもの成長に合わせて高さを柔軟に調節できるタイプの製品が望ましいです。

小学生の学習椅子であれば、昇降式の回転チェアが定番です。座ったときに足裏全体が床につくように椅子の高さを調節します。小学生向けの学習椅子では「足置き」が設置されている製品もあります。低学年のうちは足が床につかないケースが多いため、足置きの有無はぜひチェックしておきたい点です。

小学校6年間を通して使うのであれば、「座面の高さ」「座面の奥行き」と「背もたれの高さ」をそれぞれ調節できる椅子が理想的です。椅子ひとつで学習時の姿勢や集中力が変わってきます。長く使うものだからこそ、入学準備では良い製品を選びたいです。

学習机は「照明」を見直そう

肩こりと姿勢、それから視力にはそれぞれ密接な関係があります。視力が落ちることで前かがみ姿勢を取る機会が増え、その悪い姿勢によって肩こりが進み、肩の筋肉の緊張による眼精疲労がさらなる視力低下を引き起こすといった悪循環に陥ります。

したがって肩こりを防ぐ学習環境では「正しい姿勢を保てる環境を作ること」と「目に優しい環境を作ること」の2つが重要なポイントとなります。

学習机を選ぶ上で案外見落とされがちなのが「照明」の機能です。最近では蛍光灯よりもLEDライトを採用する学習机が増えました。LEDは蛍光灯と比べて消費電力が少なく、高寿命であるのがメリットです。

学習机の照明選びをする上でひとつの判断材料となるのが「ライトの横幅」です。ライトの横幅が長い方が、ムラ無く机全体を照らすことができ、目に負担がかかりづらいです。

横幅が狭いタイプのLEDライトですと照明角度によって手元に影ができてしまい、書き物をするときに見えづらくなってしまう問題が生じます。

ですので学習机の大きさに合った横幅のライトであるかどうか、また、照明角度の調整がしやすいかどうかは事前にチェックしておきたいポイントです。

加えて、学習机のLEDライトは「調色機能」のあるタイプのものがおすすめです。調色機能付きのLEDライトでは、昼白色・昼光色・電球色の3つに色温度を変更することができます。

例えば6200ケルビン相当の昼光色(寒色系の青白い照明)は、集中力を高める働きがあり、短時間に集中して勉強するときに適した照明です。一方、3000ケルビン相当の電球色(暖色系の落ち着いた照明)は、長時間の読書や、図画工作などの創造的タスクをするときに疲れにくい照明であることが知られています。

学習内容に応じて照明の色温度を変えることで、目に優しく集中力を持続しやすい学習環境を作れます。間接的にではありますが、適した照明を用意することによって、姿勢改善や肩こり予防にも繋がります。

学習机の照明は「横幅」「角度調整のしやすさ」「照度(明るさ)」「調色機能」に着目して、子どもの学習に適した製品を選ばれるのが良いでしょう。

ランドセルを背負うときの姿勢と「肩ベルト」について

ランドセルやリュックサックを背負うときは猫背になってしまうイメージがありますが、猫背もやはり首や肩に負担をかけてしまい、望ましくない姿勢習慣であると言えます。

直立姿勢では、首筋と背筋が伸び、顎を引いて頭部をまっすぐに起こしていること。歩くときは胸を張って前を見て、つま先で地面を蹴り、かかとからしっかりと着地するのが理想的な姿勢です。

これはランドセルを背負っているときでも同じです。身体にちゃんとフィットしている製品であれば、ランドセルを背負った状態でも楽に背筋をピンと伸ばし、肩の力を抜いて荷物を持ち運ぶことができます。

ランドセル選びでは「背面のクッション素材」と「肩ベルトの形状」に着目します。クッション部分と背中とが密着し、背負ったときに背筋が伸びるかどうか。また、肩ベルトが体幹に沿った立体形状になっているかどうか。ベルトに十分な幅があるかをチェックします。

最近のランドセルは肩ベルトがとても幅広に作られている製品が多く、昔のランドセルに馴染みのある方は少し驚かれるかもしれません。肩ベルトのクッション性を高め、ベルト幅を広くすることによって、荷物の重さが分散され、肩にかかる負荷が軽減されます。

肩ベルトはランドセルの背負いやすさを左右するかなめのパーツであり、この肩ベルト部分がしっかりと作られている製品をおすすめしたいです。

展示会やショールーム、専門店ではランドセルを試着することができます。お子さまと一緒に売り場に足を運んだ際は、ぜひ実際に背負ったときの姿勢や背負いやすさをご確認ください。

注意したい骨格の病気について

冒頭でも触れたとおり、子どものうちは肩こりを発症するケース自体が少ないです。したがって、子どもに肩こりがある場合、何らかの病気が潜んでいる可能性を注意する必要があります。

「肩が痛い」「骨格が歪んでいる」といった具体的な症状がある場合には、整骨院に通ったり民間療法を試みたりする前に、必ず整形外科を受診するようにしましょう。(整骨院は姿勢矯正ができますが、病気の検査や治療はできません)

とくに学童期・思春期には「突発性側湾症」という脊柱が曲がってしまう病気がよく見られます。突発性側湾症は小児期の発症が大部分で、10歳以上の思春期での発症が約80%を占めるとされます。
(参照文献:『ウルトラ図解 くび・肩・背中の痛み』手塚正樹・監修/法研2016年 p.70)

小学校でも側湾症の健診は実施されますが、早期発見が重要な病気です。「骨格が歪んでいる感じがする」「左右で肩の高さが違う」など気になることがあれば早めに整形外科で診てもらいましょう。

なお、側湾症については公益財団法人東京都予防医学協会のホームページに掲載されている「脊柱側わん症検診」(http://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/child/topics01.html)のページが詳しいです。

以上、この記事では子どもの肩こりを防ぐ環境作りについてご紹介をいたしました。学習椅子・照明・ランドセルといった身近に使うものを見直して、正しい姿勢が習慣づけられる環境をぜひとも作っていきましょう。

 

【公開日】2018/07/30

【最終更新日】2018/07/30